駒田蒸留所へようこそ
ずっと、ずっと回り続けるために。
お仕事シリーズはすべて見させてもらっていたので、今回もいつもどおり、特に前情報をあまり入れずに観てきました。(どうしてもCMは見てしまっていました、、)
TVシリーズではなく、初の映画でという手法を取っていたことがまず少し驚きでした。90分足らずでどこまで、これまで感じられた感情にまで到達できるのか。それと同時に、でもきっとこのスタジオなら叶えてくれるのだろう、という気持ちで臨みました。もちろん叶えてくれました。
物語自体は映画としてのセオリーに準じており、エンターテインメントとしても、そして何より"お仕事シリーズ"としての役割もきちんと成立しており、普通に涙してました。マスクなしで観ることが良かったです。
物語はニュースサイトの記事を書くお仕事をしていた高橋君と、若くして蒸留所社長を務めていた琉生さん。このお二人を主人公に進んでいきました。
高橋君は今の会社に入って半年で、かれこれ5社目という経歴。どうにも今の仕事に満足や達成感を得ることができず、ある種なんとなく働いていた青年。そんな彼に上司の安元さんから1つ、企画を受け持つことから始まりました。
その企画は、若き女性社長である琉生さんが、各蒸留所へ赴き、その対談内容を記事にするというもの。安元さんはかつてその琉生さんの記事を書いたこともあり、通った企画のようでした。
高橋君は特に蒸留酒、ウィスキーに興味があるわけでもなく、休日返上で、さらに長野までという出張。今回も乗る気、やる気は見出せず。さらに彼女、駒田琉生の生い立ちを簡単に訊いた限り、自身のやりたいことが若い時から定まっており、ウィスキー自体も好きな様子に見えたことから、まずます自身との比較、対比を目の当たりすることになってしまった。
つい、彼はそのもやもやとした愚痴のようなことを彼女に零してしまって彼女を怒らせてしまうことにもなったのだけれど、そこから彼女の本当の生い立ち、これまでの苦労を知ることになりました。
彼女自身は美大に通っており、絵の道に進みたかったこと。でも実家が地震で家業の蒸留所が窮地に立たされてしまったこと。そのことで家を継ぐはずだった兄が出て行ってしまい、父も倒れ… とてもじゃないですが生半可な気持ちで、ましてや正直当初は臨んでこの道を選んでいたものでありませんでした。
彼女の決断と覚悟を知った高橋君はそこから自分にできることをできる限りしようと、心改めてくれました。彼女もやりたい仕事ではなかった。彼女はそれでもなんとかしたいという思い、努力を見て、高橋君は気づかされることになりました。
・
やりたい仕事、望んだ仕事ができることは、良いことでもあるとは思うけれど、必ずしもそのすべてが良いとも言えないところはあると思います。ただそれがイコール「好きなこと」に、少しでも結びつくのだとしたら、それはいつしかやりたいこと、やりがいのあること、望んでいる仕事になっていくものとも思います。
それには何よりも「全力」を尽くすこと。
そうしなければ見えるもの見えてこないし、得られるものも得られない。全力で臨んで、その上でやはり自分の好きなこと、やりたいことが違うものだとなれば、その時にまた少し足を止める。それでいいんじゃないかな。決してそれまでの経験は無駄に、ゼロになんかならないから。
だから少なくとももし今やりたいことが見つけられちないなら、今を全力で生きることが、遠回りに見えて、一番の近道になるんだと思います。
・
彼女が求めていたものは、何物にも代えがたい家族のお酒でした。父が造り、兄が手助けし、母が支えていた。そして蒸留所で働いてくれていた全員が笑顔になっていた。全員が家族だと思えたお酒。彼女はそのお酒を求め、そこに集まる家族を求め、そこに溢れる笑顔を求めて、挑み続けていました。
文字通りそのお酒は「家族」でしか造ることができなかったお酒でした。彼女だけでも、蒸留所のみんなだけでも、母だけも、兄だけでも、父だけでもだめだった。「全員」がいなければ造りえないお酒でした。
母の笑顔で父が毎年確信していた、という場面では普通に涙が零れてしまいました。お母さんはずっと自分は役に立てていなかったと後悔していたからこそ、そこにもまた家族の愛が感じられたなぁ。
長い年月を必要とするウィスキー造り。それは必ず「継いで」いかなくてはたどり着くことができない。家族の力ほど見えない強い強い力がなければたどり着けないんだと思いました。
これといってTVシリーズでも良かったような、と思ってしまったけど、一気に見届けることができたのは良かったかな。素晴らしい作品になっていたのは事実で、それを感じ取ることは十分できました。やはりこれまでのシリーズに共通することではあるけど、みんなが『全力でいる』ことに、どうしても心打たれます。観ることができて良い作品でした。次作もまた期待してしまいます。
入場時にもらえたカードから主題歌をDLできるの良かったです。この楽曲もほんと素敵です。
お仕事シリーズはすべて見させてもらっていたので、今回もいつもどおり、特に前情報をあまり入れずに観てきました。(どうしてもCMは見てしまっていました、、)
TVシリーズではなく、初の映画でという手法を取っていたことがまず少し驚きでした。90分足らずでどこまで、これまで感じられた感情にまで到達できるのか。それと同時に、でもきっとこのスタジオなら叶えてくれるのだろう、という気持ちで臨みました。もちろん叶えてくれました。
物語自体は映画としてのセオリーに準じており、エンターテインメントとしても、そして何より"お仕事シリーズ"としての役割もきちんと成立しており、普通に涙してました。マスクなしで観ることが良かったです。
物語はニュースサイトの記事を書くお仕事をしていた高橋君と、若くして蒸留所社長を務めていた琉生さん。このお二人を主人公に進んでいきました。
高橋君は今の会社に入って半年で、かれこれ5社目という経歴。どうにも今の仕事に満足や達成感を得ることができず、ある種なんとなく働いていた青年。そんな彼に上司の安元さんから1つ、企画を受け持つことから始まりました。
その企画は、若き女性社長である琉生さんが、各蒸留所へ赴き、その対談内容を記事にするというもの。安元さんはかつてその琉生さんの記事を書いたこともあり、通った企画のようでした。
高橋君は特に蒸留酒、ウィスキーに興味があるわけでもなく、休日返上で、さらに長野までという出張。今回も乗る気、やる気は見出せず。さらに彼女、駒田琉生の生い立ちを簡単に訊いた限り、自身のやりたいことが若い時から定まっており、ウィスキー自体も好きな様子に見えたことから、まずます自身との比較、対比を目の当たりすることになってしまった。
つい、彼はそのもやもやとした愚痴のようなことを彼女に零してしまって彼女を怒らせてしまうことにもなったのだけれど、そこから彼女の本当の生い立ち、これまでの苦労を知ることになりました。
彼女自身は美大に通っており、絵の道に進みたかったこと。でも実家が地震で家業の蒸留所が窮地に立たされてしまったこと。そのことで家を継ぐはずだった兄が出て行ってしまい、父も倒れ… とてもじゃないですが生半可な気持ちで、ましてや正直当初は臨んでこの道を選んでいたものでありませんでした。
彼女の決断と覚悟を知った高橋君はそこから自分にできることをできる限りしようと、心改めてくれました。彼女もやりたい仕事ではなかった。彼女はそれでもなんとかしたいという思い、努力を見て、高橋君は気づかされることになりました。
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やりたい仕事、望んだ仕事ができることは、良いことでもあるとは思うけれど、必ずしもそのすべてが良いとも言えないところはあると思います。ただそれがイコール「好きなこと」に、少しでも結びつくのだとしたら、それはいつしかやりたいこと、やりがいのあること、望んでいる仕事になっていくものとも思います。
それには何よりも「全力」を尽くすこと。
そうしなければ見えるもの見えてこないし、得られるものも得られない。全力で臨んで、その上でやはり自分の好きなこと、やりたいことが違うものだとなれば、その時にまた少し足を止める。それでいいんじゃないかな。決してそれまでの経験は無駄に、ゼロになんかならないから。
だから少なくとももし今やりたいことが見つけられちないなら、今を全力で生きることが、遠回りに見えて、一番の近道になるんだと思います。
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彼女が求めていたものは、何物にも代えがたい家族のお酒でした。父が造り、兄が手助けし、母が支えていた。そして蒸留所で働いてくれていた全員が笑顔になっていた。全員が家族だと思えたお酒。彼女はそのお酒を求め、そこに集まる家族を求め、そこに溢れる笑顔を求めて、挑み続けていました。
文字通りそのお酒は「家族」でしか造ることができなかったお酒でした。彼女だけでも、蒸留所のみんなだけでも、母だけも、兄だけでも、父だけでもだめだった。「全員」がいなければ造りえないお酒でした。
母の笑顔で父が毎年確信していた、という場面では普通に涙が零れてしまいました。お母さんはずっと自分は役に立てていなかったと後悔していたからこそ、そこにもまた家族の愛が感じられたなぁ。
長い年月を必要とするウィスキー造り。それは必ず「継いで」いかなくてはたどり着くことができない。家族の力ほど見えない強い強い力がなければたどり着けないんだと思いました。
これといってTVシリーズでも良かったような、と思ってしまったけど、一気に見届けることができたのは良かったかな。素晴らしい作品になっていたのは事実で、それを感じ取ることは十分できました。やはりこれまでのシリーズに共通することではあるけど、みんなが『全力でいる』ことに、どうしても心打たれます。観ることができて良い作品でした。次作もまた期待してしまいます。
入場時にもらえたカードから主題歌をDLできるの良かったです。この楽曲もほんと素敵です。
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