氷菓 #21「手作りチョコレート事件」
その拘りから得るものは。
季節は過ぎ、今度はバレンタイン。摩耶花ちゃんは相変わらず里志君のことが大好きなので、もちろん今年も手作り。ただ去年、ひどい言われようを彼にされたため、今年こそはと、さらにはりきり作成していました。
しかし、事件はバレンタインデー当日に起きてしまった。
摩耶花ちゃんはその日、どうしても漫研を抜けられないため、渾身の一作は部室へと置かれ、里志君が来るまで、ちーちゃんが部室にいました。けれど里志君がなかなかこないのでちーちゃんは折木君に里志君の行方を聞いて、また部室へ。するとさっきまであったはずの摩耶花ちゃんのチョコがなくなっていた・・・
もちろん折木君はそんな些細なことには労力は、エネルギーは使わない信条を持っていました。でも今回は摩耶花ちゃんが絡んでいる。となると、このままだと明らかにホラーな展開が待っていると踏み、彼は手助けすることを受け入れましたw 摩耶花ちゃんの怒りの形相は確かに見たくないし、その場に居合わせたくもない・・・
事件の顛末は意外なものでした。里志君がそこまで、、なんていうんだろ、自己中といえばそうだけれどもう少しインテリ気味な、ある意味エゴイストな感じも受けました。拘ることに意味を感じない。勝つために勝つことをして、そして勝っても、得るものの中に楽しさや嬉しさは微々たるものだった。彼が経験してえた彼の信念は、それはそれは固く、貫かれたものであって、理解し難い部分が多かったです。
彼は拘らないことに拘るようになって、気持ちや、他にもいろいろ「楽に」なったと言っていました。即ちそれは「生き易くなった」ということでつまり、それまでが「生きにくかった」ということなんだろうか。そのポリシーに、唯一障害となっていたのが摩耶花ちゃん。彼のポリシーのために、彼女の気持ちは何も考えられていない。他人がどうなろうと、どうしようと、彼にはそれを跳ね除けるだけの壁がありました。それこそ無意味と思える壁が。
ただそのこだわりに対しても、自分自身、良いこととは思っていなかったのが救いだったかな。だからそれを問題視していて、答えを出す必要性を認識していた。そしてその答えは、これまでの1年で、特に折木君のおかげで、出せそうになっていました。そして今回の一件。彼は自分の考えをすべて折木君へ告白したことで、その答えに、たどり着いたようでした。あの後彼女にどう、何を伝えたのか。とても気になります。
里志君の考えはとても想像しがたいものであったのだけれど、同時に、実に何かリアリティを感じるところも大きかったです。そのこだわりは、果たして本当にひとつの生き方、処世術となっていたのかどうかも、気になるところだったなぁ。ユニークでした。
こちらの作品も残すところあと数話。最後まで大変丁寧な描写に、いつもながら感嘆していまうところ多かったです。残りも楽しみ。
季節は過ぎ、今度はバレンタイン。摩耶花ちゃんは相変わらず里志君のことが大好きなので、もちろん今年も手作り。ただ去年、ひどい言われようを彼にされたため、今年こそはと、さらにはりきり作成していました。
しかし、事件はバレンタインデー当日に起きてしまった。
摩耶花ちゃんはその日、どうしても漫研を抜けられないため、渾身の一作は部室へと置かれ、里志君が来るまで、ちーちゃんが部室にいました。けれど里志君がなかなかこないのでちーちゃんは折木君に里志君の行方を聞いて、また部室へ。するとさっきまであったはずの摩耶花ちゃんのチョコがなくなっていた・・・
もちろん折木君はそんな些細なことには労力は、エネルギーは使わない信条を持っていました。でも今回は摩耶花ちゃんが絡んでいる。となると、このままだと明らかにホラーな展開が待っていると踏み、彼は手助けすることを受け入れましたw 摩耶花ちゃんの怒りの形相は確かに見たくないし、その場に居合わせたくもない・・・
事件の顛末は意外なものでした。里志君がそこまで、、なんていうんだろ、自己中といえばそうだけれどもう少しインテリ気味な、ある意味エゴイストな感じも受けました。拘ることに意味を感じない。勝つために勝つことをして、そして勝っても、得るものの中に楽しさや嬉しさは微々たるものだった。彼が経験してえた彼の信念は、それはそれは固く、貫かれたものであって、理解し難い部分が多かったです。
彼は拘らないことに拘るようになって、気持ちや、他にもいろいろ「楽に」なったと言っていました。即ちそれは「生き易くなった」ということでつまり、それまでが「生きにくかった」ということなんだろうか。そのポリシーに、唯一障害となっていたのが摩耶花ちゃん。彼のポリシーのために、彼女の気持ちは何も考えられていない。他人がどうなろうと、どうしようと、彼にはそれを跳ね除けるだけの壁がありました。それこそ無意味と思える壁が。
ただそのこだわりに対しても、自分自身、良いこととは思っていなかったのが救いだったかな。だからそれを問題視していて、答えを出す必要性を認識していた。そしてその答えは、これまでの1年で、特に折木君のおかげで、出せそうになっていました。そして今回の一件。彼は自分の考えをすべて折木君へ告白したことで、その答えに、たどり着いたようでした。あの後彼女にどう、何を伝えたのか。とても気になります。
里志君の考えはとても想像しがたいものであったのだけれど、同時に、実に何かリアリティを感じるところも大きかったです。そのこだわりは、果たして本当にひとつの生き方、処世術となっていたのかどうかも、気になるところだったなぁ。ユニークでした。
こちらの作品も残すところあと数話。最後まで大変丁寧な描写に、いつもながら感嘆していまうところ多かったです。残りも楽しみ。
この記事へのコメント
私としては許せませんが、
でもその気持ちは少しだけ
理解できるような気がします。
中学時代の里志は、
勝つことに固執(こだわり)し、
負けたときには機械(周り)のせいにして、
周りが見えなくなっていた。
ある時そんな自分に嫌気がさして
自分を変えようと思ったのでしょう。
自分を変えるため、こだわっていたことには
こだわらないようにして、くだらないことに
こだわるようにした。
それによって、確かに彼自身の気持ちは
楽になったでしょう。
しかし、それは自分の
「素直な気持ち(こだわり、固執)」
を否定する事に繋がったのかもしれません。
摩耶花のことが好きな自分の気持ちは
嫌いだった過去の自分の『こだわる気持ち』と
一緒で過去の嫌いな自分に戻ってしまう。
それが怖かったから、
ずっと保留にしてきたのでしょうね。
でもようやく、その素直な気持ちを
認めたみたいでよかったです。
ってなにを偉そうに解説してるんだ・・・。
自分なりに里志の気持ちを
推測してみただけです。
偉そうにすみません。
氷菓がそんな難しい感情、価値観を
描いていることに、感心しました。
最終話は4人がhappyな気持ちで
終われたらいいですね。
彼女のことを好きだ、という気持ちはそのまま彼が嫌気がさしていたという「拘る」という気持ちと同義だったんですよね。
自分も彼の考え方そのものは許しがたいと感じると同時に、ある意味道理、理に叶った考え方ではあるため、現実味は感じた次第です。彼もある意味、自身の信念、想いを貫き続けてきたのだとすると、一概にすべてを否定することはできないのかもしれませんね。
※ご感想が字数制限?で途切れてしまって、気になります!!(*^_^*)
自分の感想は
『終われたらいいですね。』の所までです。
誤解を招いてすいません(汗)
実は今の自分と、この時の里志の考えがかなり似ていたので、自分なりに里志の気持ちを代弁したくなりました。偉そうにすいません。
壁にぶち当たったから、信念を持って自分を変えて・・・そして新たな『壁』にぶつかってまた考えを改めていく・・・
そうしていっていいわけですよね。それが成長なんでしょうね。
それにしても、里志が高校一年生の時点でこれほどの信念を持っているなんて驚きました。「摩耶花の気持ちを考えずに散々はぐらかしおって!」などと考えてた自分が恥ずかしいです。自分が高1の頃なんて何も考えてませんでした(泣)
自分も里志のように成長したいものです。
捉え方によるところもあると想いますが、自分も彼の生き方の変化は、成長だと「思い」ます。あれほど自己分析がされていて、自身を客観視もできていて、でも感情、他人への想い、他人からの想いをきちんと受け止めていた上での行動に見えました。
貫くこと、続けることももちろんパワーはいるから大変なのだけれど、その信念を改めて見直し、転換していくこともまた勇気がいる、何よりも「変化」に対するリスクとか諸々考えると、後者の方が大変な気がします。だから難しいです。。
ほんと高1であの考え、意思の強さはすごいですね(*^_^*)
p.s
ご自身の状況と似ているところがあると、作品に対する思い入れも深くなりそうですね。