刀語 第十話 「誠刀・銓」
達すべきは勝利ではない。
季節は次々と移ろいで秋。
一年という月日は日々、振り返ることの方が多く、明日を待ち遠しいと感じることが少なければ少ないほど、過ぎ去る日の早さは加速する。
刀集めもほぼ終盤。ここで、七花には再び試練が訪れました。肉体的試練はラストに取っておくとして、ここでは精神的試練。彼の心の奥の奥へと問いてくる仙人 彼我木輪廻。輪廻の言葉はどれもこれも、何の意味を見出すのかはすぐは捉えられないのだけれど、すべては事実に他ならなかった。
そしてその試練は彼を引き連れて旅をしていたとがめにも襲いかかった。
彼女の目からは輪廻は彼女の父親の姿をしていて、彼女が忘れ去っていた記憶を次々と呼び起こすこととなってしまっていた。
でもそれはなぜか。
それは輪廻が彼女に知っておかなければならない事実に、過去に向き合い、そして真実を知るためにあった。
誠刀・銓。その刀には刃はついていませんでした。
刃を、刀の刃だけをただただ追い求め続けてきたとがめに対し、輪廻は伝えたかった。戦いに於いての絶対的勝利は、何も戦いに勝つことだけを意味はしていない。
刃のない刀 誠刀・銓には、束と鍔しか存在しない。刃がないということは鞘はいらない。
在るべきは、決意と共に握り己自身と向き合う束と鍔のみで足りる。
己を斬り、己を試し、己を知る刀。それが誠刀・銓。
護るべきもの。護られるもの。護れれていたもの。とがめが何を主としてこの刀集めの旅を始めたのか。その発端。過去。そして完成形の先にあった最後の一降り、完了形。それが彼女がずっと連れていた鑢七花であり、虚刀流 つまり虚刀「鑢」でした。
目的を達するためには時としてその目的すら捨てねばならない。
この矛盾に満ちた言葉にとがめは同意することはありませんでした。その真理は、彼女には当てはまらない。彼女は目的こそが、最後まで捨ててはいけないものと信じて疑わない。それが彼女の生き方。
今回はここまでの戦いすべての答えが一つ、表わされていたように思います。戦いの中で得られるものなど、ほとんどない中、それでも得なくてはいけない真実はある。勝利が必要なのか。意味が必要なのか。刀が必要なのか。刃が必要なのか。力が必要なのか。
答えはそのいずれもでもなく、ただ「目的を達すること」が必要なのみ。そのために選ぶべき選択肢に、一切のルールも、公式も、絶対的な策も存在はしない。
それがとがめにもたらされた教訓であり、七花にとっての目的はとがめ自身であることが改めて意識することとなりました。
ラストではあっさりと人鳥さんが・・・(>_<) 次回はいよいよ鳳凰さんとの決戦だ。歴史や人間関係もほぼ明らかになってきたところで、残り2話。また来月を楽しみにしています。ラストのとがめの笑顔は最高に可愛かったな!!
季節は次々と移ろいで秋。
一年という月日は日々、振り返ることの方が多く、明日を待ち遠しいと感じることが少なければ少ないほど、過ぎ去る日の早さは加速する。
刀集めもほぼ終盤。ここで、七花には再び試練が訪れました。肉体的試練はラストに取っておくとして、ここでは精神的試練。彼の心の奥の奥へと問いてくる仙人 彼我木輪廻。輪廻の言葉はどれもこれも、何の意味を見出すのかはすぐは捉えられないのだけれど、すべては事実に他ならなかった。
そしてその試練は彼を引き連れて旅をしていたとがめにも襲いかかった。
彼女の目からは輪廻は彼女の父親の姿をしていて、彼女が忘れ去っていた記憶を次々と呼び起こすこととなってしまっていた。
でもそれはなぜか。
それは輪廻が彼女に知っておかなければならない事実に、過去に向き合い、そして真実を知るためにあった。
誠刀・銓。その刀には刃はついていませんでした。
刃を、刀の刃だけをただただ追い求め続けてきたとがめに対し、輪廻は伝えたかった。戦いに於いての絶対的勝利は、何も戦いに勝つことだけを意味はしていない。
刃のない刀 誠刀・銓には、束と鍔しか存在しない。刃がないということは鞘はいらない。
在るべきは、決意と共に握り己自身と向き合う束と鍔のみで足りる。
己を斬り、己を試し、己を知る刀。それが誠刀・銓。
護るべきもの。護られるもの。護れれていたもの。とがめが何を主としてこの刀集めの旅を始めたのか。その発端。過去。そして完成形の先にあった最後の一降り、完了形。それが彼女がずっと連れていた鑢七花であり、虚刀流 つまり虚刀「鑢」でした。
目的を達するためには時としてその目的すら捨てねばならない。
この矛盾に満ちた言葉にとがめは同意することはありませんでした。その真理は、彼女には当てはまらない。彼女は目的こそが、最後まで捨ててはいけないものと信じて疑わない。それが彼女の生き方。
今回はここまでの戦いすべての答えが一つ、表わされていたように思います。戦いの中で得られるものなど、ほとんどない中、それでも得なくてはいけない真実はある。勝利が必要なのか。意味が必要なのか。刀が必要なのか。刃が必要なのか。力が必要なのか。
答えはそのいずれもでもなく、ただ「目的を達すること」が必要なのみ。そのために選ぶべき選択肢に、一切のルールも、公式も、絶対的な策も存在はしない。
それがとがめにもたらされた教訓であり、七花にとっての目的はとがめ自身であることが改めて意識することとなりました。
ラストではあっさりと人鳥さんが・・・(>_<) 次回はいよいよ鳳凰さんとの決戦だ。歴史や人間関係もほぼ明らかになってきたところで、残り2話。また来月を楽しみにしています。ラストのとがめの笑顔は最高に可愛かったな!!
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