地獄少女 二籠 第12話

遺されたもの。

ようやく動き出したと思いたいです。

わら人形さんたちの過去、と呼ぶには
ちょとに古いお話が紐解かれ始めてきました。最初はまず輪入道!
彼の前世はどうやら馬車?で数百年前、
乗せていた姫もろとも襲われて谷底へ落下し、
そこで彼の最初の人生は終わりを迎えていた。
時代的にはあいちゃんと同じなんだろうな。

あとお話的には被害者ゼロが久しぶりな展開でした。
紐を解く瞬間で無効化したのは初めてで。
相変わらず毎回パターンを変えてくれるのは楽しいです。


ある一軒の家屋が立ち退きを拒んでいたため、
そのままその家を避けるように道路を敷かざるを得なくなり、
結果、できた道はひどく曲がりくねってしまった。
そのためそこでは多くの事故が絶えない道となってしまっていました。

依頼者はその道で事故死した弟を持つ道郎さん(名前が(^_^;)
どうしても家の主が許せず、地獄通信へアクセス。
が、あいちゃんは来ませんでした。


逆怨み、といえばそれまで。
けれどその責任は、危険を起こした当人だけの責任よりも
事前に行うべき危険回避を怠った者が本来負うべきもの。

あの家が立ち退いてくれて、
海岸線沿いにきれいに道路を造ることができたのなら
弟さんは死なずに済んだ"可能性"が、
今となっては高いと言わざるを得ない状況でした。
家のせいで道が複雑になってしまったのなら、
それでも敷かなくてはならなかったのなら
それなりに対策を講じなければいけなくて、
そこに費用が、というのであれば説得しなくてはならなくて
どっちかしか選びようがない事態だったんだろうな。
もちろんここにも「それができれば・・・」という不条理さとも言うべき
簡単な問題ではないことも、互いにわかっていたのだとも思う。
ただお金目当てだったかどうかなんて、すぐにわかったと思うんだけど。
敢えてあのおじいさんはそういう言い方をしていただけだったのかな。


現実問題、問題は何かが起きてからでは遅いと思われつつも、
動くときは"起きてから"であるケースでしかほとんどない。
本当にあの道路標識だけで賄えると判断した者が、
最終的には責任を負うべき一人だったんじゃないだろうか。

立ち退きを拒否した人、道路を造ろうとした人
事故死した人、その家族。
必ずしも全員が被害者だったとは決して呼べないと思った。


道郎さんがその家に車で突っ込むと決心したとき、
あいちゃんは唐突に彼の隣に姿を現しました。

「受け取りなさい。まだ間に合うわ」

あいちゃんの「まだ間に合う」という言葉は
捉え方によっては非情に残酷な言葉でした。
ターゲットはどちらにせよもう死ぬとあいちゃんたちは知っていて、
どうせ死ぬなら道郎さんに怨みを晴らさせた方が・・・。
そんな風に言っているように聞こえたよ。。

道郎さんはわら人形を受け取り、すかさず糸を解こうとした瞬間、
依頼はターゲットの病死という結果、無効となりました。
 もしかしてここまでをあいちゃんは知っていたのか。


ただ死ねばいいというわけではない。

それがあの地獄通信にアクセスしてくる大半の人の怨み。
道郎さんは納得なんかできるわけなく、トラックを急発進させた。
意外だったのはここからで、
そのトラックを輪入道が間一髪押さえ込んだこと。

彼等が依頼以外に干渉してきたのはかなり珍しいことでした。
前期最終エピソードでの、あいちゃんを助けようとしていた時以来?

確実に彼等は見過ごすと思っていました。
なのに彼等は道郎さんを助けるという行為に及んだ。
そのことにあいちゃんたちが一切触れなかったのもちょっと意外で、
さらに輪入道に対してあいちゃんがかけた、

「主の後を、追いたかった?」

という言葉。
彼女から彼らに干渉してきたのもちょっと驚きでした。
ただ何気ない会話だったのかもしれないけれど
彼女はわら人形さんたちの過去をもちろん知っていて
少なくとも道具っていう目ではなく、きちんと仲間として見ている。
そう見えました。


今回もとてもおもしろい作りでした。
道郎さんは地獄通信にアクセスすることなく、
もし特効をかけていたら最悪な結末が待っていたに違いない。
そろそろ死ぬかも、ってわかっていたから
あいちゃんがすぐには彼の前に現れなかったのだとしたら、また残酷さが。。

そして何よりも今回は輪入道。
いつもながらの渋さに加えて哀しい過去。
最後に見せた同情とはいえ、あの行為は優しさに他なりませんでした。


すぐには続かないとは思うけれど、
今後は一目連、骨女の過去も少し明らかになっていくんだろうな。
きくりちゃん、そろそろ構ってあげないといけない時期。
このまま本筋なく終わっていきそうな雰囲気もあるんだけど。。

この記事へのコメント

この記事へのトラックバック

  • 地獄少女 二籠 第12話「黒の轍」

    Excerpt: 「輪っかがついてるものが好き」と語る伊藤道郎と意気投合し、昔の思い出を回想する輪入道。 ついに彼の過去が明らかになりましたね。 輪入道の正体はどこかのお姫様の馬車の車輪だったのかぁ。 輪入道たち.. Weblog: おもちやさん racked: 2006-12-23 22:36
  • 地獄少女 二籠 第十二話「黒の轍」

    Excerpt: 今回は依頼者ではなく、輪入道の話だったのかもしれませんね。 ヘイ、ベイベー!オシリフリフリベイベー!満足するまでーヤロウゼー! ……いきなり凄い歌から始まりました。 今回の依頼者伊藤道郎。 完.. Weblog: よう来なさった! racked: 2006-12-24 00:05
  • 地獄少女 二籠 第十二話「黒の轍」

    Excerpt: 今回の依頼者はトラック野郎の兄ちゃんでターゲットは一人暮らしの男性老人でした。 Weblog: White wing racked: 2006-12-24 00:53
  • 地獄少女 二籠 第12話

    Excerpt: 『黒の轍』 おれぁ、輪入道だ・・・   「へいっ! ベイィベ♪ おしりフゥ~リ、フゥ~リ、ベイィベ♪」 「満足するまで~♪ やろうぜぇえっ♪」 ああ・・・随分と、ハイカラな歌じゃねぇか。 兄さんいい声.. Weblog: ACGギリギリ雑記 racked: 2006-12-24 13:53
  • 地獄少女 二籠12話「黒の轍」

    Excerpt: 「いっしょに来る…?」 Weblog: ライトニングソルジャー racked: 2006-12-24 21:23
  • 「地獄少女 二籠」#12 黒の轍

    Excerpt: 人情派『輪入道』、クールにダンディに大活躍です^^ そしてきくりもある意味大活躍ww ではでは「地獄少女 二籠」の感想です。 地獄少女 二籠 箱ノ一金巻兼一、岡真里子 他 (2007/01/24.. Weblog: ラピスラズリに願いを racked: 2006-12-24 21:27
  • 地獄少女 二籠 第十二話 「黒い轍」

    Excerpt: 旧道と並行して走る新道があった。  新道が完成すれば旧道はなくなる予定だった。  しかし新道が通る予定地にある旧家の老人は、  頑なに立ち退きを拒んだ。  だから二本の道が旧家を避けるように交わる、.. Weblog: 月の静寂、星の歌 racked: 2006-12-24 23:08
  • 地獄少女 二籠 第12話 「黒の轍」

    Excerpt: ノー地獄送り~♪ やべぇ… 軽く感動しちゃったじゃないか! 『今回はどっちも悪人って感じしないから後味悪くなりそうだなぁ…』と思っていたら! なんと“地獄送り”がなかったんですのよ、奥さん! Weblog: ブログ 壁 racked: 2006-12-24 23:31
  • 今回のテーマは「小さい物にも心がある」でいいかな?

    Excerpt: . . . . . 「地獄少女 二籠」の第12話「黒の轍」の感想です。家の立地 Weblog: Le mouvement premier racked: 2006-12-24 23:58
  • 2006年12月25日(月)の更新状況

    Excerpt: 地獄少女 二籠 第12話 『黒の轍』 「1/3」 「2/3」 「3/3」 ONE PIECE -ワンピース- 第291話 『ルフィ親分再び!夢か現か富くじ騒動』 「1/3」 「2/3」 「.. Weblog: ★ You Tube アニ速 ★ racked: 2006-12-25 17:29
  • 地獄少女 二籠 第12話 「黒の轍」

    Excerpt: 地獄少女 二籠   評価:3.5   [現世版『スカイハイ』]   アニマックス : 10/07 19:30   東京MXテレビ : 10/07 22:00~   MBS : 10/07 25:55~.. Weblog: アニメって本当に面白いですね。 racked: 2006-12-25 22:12
  • 地獄少女・二籠 第12話「黒の轍」

    Excerpt: 脚本:西園悟 絵コンテ:名村英敏 演出:神保昌登 作画監督:南伸一郎・金順淵 総作画監督:岡真里子 依頼者の伊藤「道」郎とか、ターゲットの亀岡「一人」とか、名前が適当すぎる。w 予告で「恨み聞き届.. Weblog: AGAS~アーガス~ racked: 2006-12-27 00:08
  • 地獄少女 二籠 第12話「黒の轍」

    Excerpt: その道は、数百年前にも通った道――。 輪入道の過去が語れる一筋の道に関する物語。 …って、爺ちゃん、人間じゃなかったのか?(^^; Weblog: SERA@らくblog racked: 2006-12-27 00:25
  • 地獄少女二籠第12話

    Excerpt: 二籠第12話。暗い結末の多い地獄少女ですが、今回のお話は久々に望みの持てる終わり方でしたね。「家」とはただの住処ではない、楽しいことや苦しいことを過ごしてきたいわば生きた証がそこにはある。おじいさんの.. Weblog: アニメ探索小隊 racked: 2006-12-28 00:11
  • 地獄少女 二籠 12話

    Excerpt: 今回の地獄少女 二籠は、輪入道の過去とだぶらせた話。ターゲットは地獄に流される前に死亡の為に契約が無効になるという新しいパターンでした。依頼者を稲田徹さん、ターゲットを西村知道さんが演じました。 Weblog: ホビーに萌える魂 racked: 2006-12-28 00:29
  • 主と供に

    Excerpt: 第拾二話「黒の轍」     誰だって思い出と最後まで供に生きたい 道路の整備の為老人に言い渡された立ち退き命令  その結果見通しの悪い道路ができました 安全な速度で走りさえすれば大抵の道路では事故は起.. Weblog: 睡魔と戦うのって大変だ racked: 2006-12-28 23:01
  • 地獄少女 二籠 12話「黒い轍」

    Excerpt: 今回は、輪入道スペシャルも兼ねていた。 Weblog: こころに いつも しばいぬ racked: 2006-12-31 01:15
  • (アニメ感想) 地獄少女 二籠 第12話 「黒の轍」

    Excerpt: 地獄少女 二籠 箱ノ一 夜の山道を走り続ける一台のトラック。トラックの運転手・道朗は、途中ヒッチハイクをしていた老人を拾う。老人は、かつてこの地に住んでいたことがあると、道朗に話し始めるのでした・・.. Weblog: ゲームやアニメについてぼそぼそと語る人 racked: 2007-01-08 01:14