あさっての方向。 最終話

穏やかに夏は過ぎ去りました。
二人にとってはこの上ない、かけがえのない夏。

すべてが元の姿に戻った、、
というより元に戻ったことの方が実は少なかったのかも知れない。
でもすべては良い方向に流れ、夏は終わりを告げました。


とても静かで穏やかな終わり方、というのが第一印象でした。

人の本質を見極めることが、いくら親しくても容易ではないということ
動じずに対処するにはそれ相応の時間が必要なこと。
でも最後には、最初から変わらない気持ちを信じることで
理解が追いつかなくても、完全には納得できなくても
何よりも相手を信じきることがどれほど大変で大切なことか、
そんなことを感じた作品でした。

琴美ちゃんだけがまたどう捉えてよいのか(^_^;)
彼女の秘密めいたところは最後の最後で一番強くなって
椒子さんと最後別れ際に抱き合ったシーンは良くもあり
「ということは、、どういうことなの?」と。


画も最後ということもあり一段ときれいだったなー とくにアップが。
体が元に戻るかどうかはわからなくても、
ヒロ兄たちが来たことによって終わりは決まっていました。
からだちゃんが徹君を想う気持ちに気づいたことで二人の夏も終わり、また、
ヒロ兄がきちんとからださんにこれまで黙っていたことを告白して
ようやく彼らは本当の兄妹になれて、ここでこの二人の夏も終わりました。

「これからも、、これからも妹でいていいですか?」
「これからも、兄でいさせてください。」

二人のこの言葉で何もかもに実にきれいに区切りがついていました。
からださんの震える声が、本当に素晴しいものを感じましたし
これほどまでに言葉一つひとつを大切に
演技を、間を大事にしてくれる作品は好きになって当然でした(^_^;)


琴美ちゃんが別れ際、
椒子さんのポケットに入れてくれたのはあの「願い石」。
なぜ彼女が持っていたのか。
なんかそこだけでも想像するとまだ物語は作れそうで(^_^;)
そういう余韻というか楽しみを残してくれたことにも
ありがとう、と伝えたいです。


二人は心の底から、からださんは子供に、椒子さんは大人に戻りたいと
この僅かな短い夏の間に思い直すことができていました。
だから二人は元の姿に戻ることが出来ました。


人は誰にでも帰れる場所があって、還る場所があって、
必ずいるべき場所、望まれる場所がある。
ここにくるために、ここにいるために
自分は生きている、生きていた、
そして"生きてきた"のだと思える場所。それがホーム。


思っていた以上に素晴しい物語を見させてくれたと思います。
僅か12話の中身はその短さゆえの凝縮さもありつつ
時間の取り方がとてもうまくて、ゆとりさえ感じられました。
台詞やキャラが少なかった反面、人の動作がとても自然な描き方で
細かくて毎回が楽しく見て来られたかな。
何をおいても、やはりからだちゃんのかわいさがダントツでもありました。
ここが素晴しいポイントの一つでもあったのは確かです。


この夏が二人にとって、そして二人を見てきたもう一組の二人にとって
大きな経験となり、これからの考え方の在り方も変わったと想う。

ここにいること。

なぜ自分は今ここにいるのか、ということを
深く考えて自分の存在を確かめて、気持ちを確かめて
そしてその理由を知ることが出来たんだろうな。

どこら辺からからだちゃんはぐんぐん成長していくのか。
毎月一回確かめたいほどw かわいかったです。

とてもとても素晴しい作品でした。
こちらも、見ることができて大変良かった作品になりました。

この記事へのコメント

2006年12月23日 21:07
「LUNEさん」こんにちは!
まだ最終回をみていないのですが、
なかなか感動的な終わり方だったようで
見るのが楽しみなのですが・・・。
 他の方の感想を見てて原作だとかなり
えぐいみたいで大人の「からだちゃん」が
男性恐怖症になっているって・・・、
どうやら原作はまだ終わっていないようなのですが、
実際はどうなんでしょうか?
怖いものみたさで原作も見てみたいような(笑)。
 そんなわけでアニメ版はかなり脚本の方が頑張った
みたいで綺麗な終わり方みたいですねっ。
とにかく僕の中ではアニメ版は傑作の一つに
くわえています。。

 では、
2006年12月24日 20:36
こんばんわー
原作はそんなことに・・・。自分としてはこの作品、アニメで完結させてしまいたい気持ちが強いかも(^_^;) とっても静かにきれいに終わっていたと思います。でも怖いもの見たさという気持ちもちょっとw
自分もこの作品かなりな傑作と思いました!!

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